公園は「コロナ危機」にどのように対応できたのか

2020年7月10日

新型コロナウイルス感染症終息の気配はいまだに見えて来ません。2020年4月から5月にかけての緊急事態宣言を受けて、公園利用も大きく影響を受けました。公園内の施設が利用禁止になったほか、公園自体の閉鎖もありました。公園管理運営士会の実施したアンケートの結果を基にパンデミック時の公園のあり方について考えてみました。

(一社)公園管理運営士会では新型コロナウイルスの拡大が深刻な状況になった2020年3月10日、公園管理の現場に従事する会員に対して緊急アンケートを実施しました。アンケートの主旨は、利用者の動向と公園の対応を把握することでした。公園利用の実態は、自治体など行政機関よりも、日々、現場で利用者対応している人間に聴くのが一番です。そこで、併せて管理者側の意見も収集しました。期間は令和2年3月10日~25日です。

質問は次の5項目です。

あなたの関係している公園の現状を教えてください。
1.何らかの利用制限をしていますか?     はい  いいえ
2.公園そのものの閉鎖をしていますか?    はい  いいえ
3.屋内施設の閉鎖をしていますか?      はい  いいえ      
4.イベントを中止していますか?       はい  いいえ
5.普段より利用者が増えていますか?     増えている,  減っている  変わらない

この結果は表―1のようなものでした。

以下、全国の公園管理者から寄せられた情報と意見をもとに、この問題を考えていきたいと思います。
結果は、8割の公園で何らかの利用制限がなされていました。さすがに公園の閉鎖が行われていたのは、この時点では北海道の滝野すずらん公園だけでした。
制限の内容ですが、全体の3分の2の公園が屋内施設の利用を止めました。さらに94%の公園で、予定していたイベントの中止が決定されていました。
さて公園の利用者、来園者の動向ですが、増えているが53%、減っているが41%、変わらないというのは6%という結果でした。公園施設に利用制限がかけられ、イベントが相次いで中止となっている中での利用者の増加というのは、スポーツ施設などを使わない散策等の利用が増えたことが推測されます。



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