公園管理運営士会西日本支部の「令和3年花見シーズンの公園対応についてのアンケート」結果より

2021年6月7日

一般社団法人公園管理運営士会西日本支部では、コロナ禍における公園利用実態について、公園管理の現場で活動している会員を対象にアンケートを行いました。
 今回は、新型コロナウイルス感染症が拡大して2度目の花見シーズンにおける利用者の動向と公園管理者の対応について聞きました。その結果について、要点をまとめてみました。

・アンケート期間:令和3年3月25日~4月25日
・回答数:19件(19公園)

1.全体としての規制
■今年の花見について何らかの規制を行っていますか
   は い         11件(57.9%)
   いいえ         8件(42.1%)

2.個別の規制
■集団での花見
   禁止した        4件(22.2%)
   注意喚起している    8件(44.5%)
   禁止していない     6件(33.3%)
            (無回答分は含まず) 

■飲食
   禁止した        3件(16.7%)
   注意喚起している    8件(44.4%)
   禁止していない     7件(38.9%)
            (無回答分は含まず) 

■ライトアップやボンボリなど
   中止した        2件(10.5%)
   例年通り実施      5件(26.3%)
   以前から行っていない  12件(63.2%)

■イベント
   中止した        5件(27.8%)
   例年通り実施      7件(38.9%)
   以前から行っていない  6件(33.3%)

■一方通行等の動線規制
   中止した        1件(5.3%)
   例年通り実施      2件(10.5%)
   以前から行っていない  16件(84.2%)

3. 花見客の動向
■来園者(花見期間中)の増減
   昨年より増加      9件(47.4%)
   昨年より減少      5件(26.3%)
   昨年と変わらず     5件(26.3%)

まとめ
 昨年は、安部首相が令和2年2月27日に全国の小中高校に臨時休校を要請する考えを公表したことによる臨時休校が始まりましたが、新型コロナ感染症の拡大はその後も続き、令和2年4月7日に7都府県に1回目の緊急事態宣言が出されました。その様な状況で行った昨年の「第1回公園利用に関するアンケート調査」(令和2年3月9日~15日)では、何らかの利用制限をかけていると回答した公園は90%でした。

 しかし、その後に行った「花見に関するアンケート調査」(令和2年3月17日~30日)では、花見に関して何らかの利用規制をかけた公園は10%に過ぎませんでした。

 今回の花見に関するアンケート調査の依頼は令和3年3月25日に行いました。この時期は関西2府1県に出されていた緊急事態宣言(令和3年1月14日から2月28日まで)の解除後、三度感染者が徐々に増え始めた時期で、大阪府に「まん延防止等重点措置」の要請が出されようかという状況でした。(まん延防止等重点措置:令和3年4月5日~5月5日)

 それを反映してか、花見に関して何らかの規制を行っていると回答した公園は58パーセントに上りました。
 その内容は
・集団での花見の禁止または注意喚起をした公園が67%。昨年は19公園中1公園(5.3%)。
・花見での飲食に関するものでは、60%が禁止または注意喚起していました。
・夜間の花見に関しては、例年行っているライトアップやボンボリ(雪洞)等の照明を中止したのは7公園中2公園(29%)。昨年の調査では3公園中3公園が取りやめていたのとは対照的です。
・通常行っているイベント等ついては、12公園中5公園(42%)でした。昨年は14公園中11公園(79%)でした。

 昨年の結果と比較して、今回の結果をまとめると
●今回は昨年に比べ、花見期間中に何らかの規制をした公園の割合は高かった。
●その内容は、集団での花見における行動と飲食に関する規制であった。
●ライトアップやイベントを実施した公園が昨年よりも多かった。
という結果でした。

 公園利用者数の増減については、昨年より「減少した」と回答した公園は26%、昨年より「増えた」または「変わらず」と回答した公園は74%という結果になりました。

 昨年の調査における公園利用者の増減については、その前年(2019年)の同時期より「増えた」または「変わらず」としていた公園が75%あり、「減少した」と答えた公園(25%)よりも明らかに多いという結果でした。

 今回のアンケートで、「公園利用者数は昨年以上」と回答した公園が74%もあったという事実は、パンデミック状態が1年以上続いている状況で、「人々のコロナ禍での公園利用欲求」はさらに増大してきていると受け止められます。

 世界的なパンデミックという健康上の大きな不安がある状況では、当然ながら人々は心身の健康を志向する傾向が強く、その要望をかなえられる空間としての公園緑地の役割は非常に大きいものであると、あらためて認識されたと思います。

事務局(大槻)

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